熱中症対策が引き起こす水中毒とは?水分補給で量の取りすぎは危険?
近年は地球温暖化の影響で暑い日が本当に増えました。
熱中症で病院に搬送される方が毎年本当に多く、心が痛みます。
さて、熱中症予防で水分補給が大切なことは、多くの人が理解していると思います。
実はもう1つ、気をつけなければいけないポイントがあるんです。
それが、「水分の取り過ぎ」です。
えっ?水分補給が大切なのに、どうして?そう思いますよね。
今回は、水分の取り過ぎと熱中症との関係について、
- どうして水分の取り過ぎが危険なのか!
- どのくらいの頻度で水分をとれば安全なのか!
- どんな飲みものがいいのか!
このあたりを考えていこうと思います。
- 熱中症で水分の取りすぎが引き起こす水中毒とは?過剰な量摂取が原因?
- 正しい水分補給で熱中症を防ごう!摂取するタイミングの目安とは?
- 熱中症対策に効果的!経口補水液と普通の水とでは成分は何が違う?
- 熱中症対策にはこんなものも併用しよう!水分以外では塩分は必須!
- まとめ
熱中症で水分の取りすぎが引き起こす水中毒とは?過剰な量摂取が原因?
水中毒、聞きなれない言葉です。
水に何か悪いものが含まれている、というわけではありません。
水中毒とは、「水分の過剰摂取によって引き起こされる低ナトリウム血症」のことです。
熱中症と何が違うのでしょうか。
熱中症の場合は、汗をたくさんかいた結果として、体内のナトリウムが汗と一緒に流れ出てしまいます。
汗をなめってみるとしょっぱいと感じませんか?
それは、体内のナトリウムが汗に含まれているからです。
その結果、体内の水分とナトリウムが不足してしまい、脱水症状を起こしてしまうのです。
水中毒の場合ですと、血液内のナトリウムが出て行ってしまうことはありません。
そのかわり、大量に摂取された水分によってナトリウムが薄められてしまいます。
その結果、低ナトリウム血症になってしまうのです。
熱中症により汗でナトリウムが不足しているうえ、更に水で薄めている状態です。
水中毒の存在を知らず、水分補給が大切だからといって、急激に水分を摂取することは逆効果になってしまいます。
水中毒の症状としては、
- めまい
- 頭痛
- 頻尿
- 疲労感
- 下痢
などがあげられます。
正しい水分補給で熱中症を防ごう!摂取するタイミングの目安とは?
ここまで聞いて、「じゃあ水分を採らない方がいいの?」と、不安に思った方もいると思います。
水分は採りましょう!
先ほども紹介したとおり、熱中症の主な原因は脱水症状です。
なので、水分をとらなければ、まず脱水症状が現れてしまいます。
きちんと適切な水分補給を心がけていれば、水中毒になる心配はありません。
では、どのくらいの頻度でどのくらいの量を摂取するのが望ましいのでしょうか。
水中毒の原因は、短時間に大量の水分を摂取することです。
なので、こまめな水分補給を意識すれば何も問題ありません。
「のどが渇いたなぁ」と感じる前に、こまめに摂取するのが好ましいと言われています。
熱中症対策に効果的!経口補水液と普通の水とでは成分は何が違う?
効果があるといわれているのは経口補水液ですね。
今はコンビニや薬局で手軽に購入することができます。
経口補水液とは、ナトリウム(塩)とブドウ糖(当分)を含む液体のことです。
塩分が体内に水分を保持する役目をはたし、糖分が小腸でのナトリウムと水分の吸収を促進する役目をはたします。
ただ、味があまり無くて塩味が強いので、飲みにくいのが難点です。
経口補水液はちょっと…という方でしたら、電解質入りのスポーツ飲料なんかもあります。
また、ミネラルが含まれている麦茶や、ノンカフェインのお茶もいいそう。
飲みやすいですしね。
熱中症対策にはこんなものも併用しよう!水分以外では塩分は必須!
何度もお伝えしているとおり、熱中症では脱水症状が起こってしまいます。
体内では、水分と一緒にナトリウム(塩)も失われている状態なのです。
なので、ぜひ水分と一緒に塩分も補給してください。
これも繰り返しですが、水分ばかりを補給していくと、血液中のナトリウム濃度が薄くなり、水中毒の原因にもなります。
今は塩分が含まれている飴や、タブレットなんかも販売されていますよね。
あとは、梅干しや塩昆布、浅漬けなんかも効果があるそうです、
お出かけの時、水分補給の飲みものを持参する方は多いと思いますが、ぜひ塩分補給の重要性も覚えておいて下さい。
まとめ
熱中症では水分補給をすれば大丈夫。
そう思っている方は、ぜひこの水中毒の存在も、頭のかたすみに入れておいてください。
いざ自分が熱中症になった時、もしくは周りの人が熱中症になった時。
焦って「とにかく水分だ」と考え、たくさん水分を摂取してしまった挙句、悪化してしまったら取り返しのつかないことになってしまいます。
知識があるかないか、知っているか知らないかで、事態が大きく変わることは大いにありえます。
自分は大丈夫!と思いこまず、万が一の時でも、正しい行動がとれるようにしておきましょう。
そんな私も、実は熱中症なんじゃないかな?と感じたことが数回あります。
あれは関東に引っ越してきて初めての夏のこと。今まで北の方で暮らしていたので、あまりの暑さにおののきました。
ある日、郊外に遊びに行く機会があったんです。
熱中症になったらいかん、と思い水分補給には気を付けていました。
が、目的地に着いてからどんどん具合が悪くなっていきました。
頭痛・めまい・倦怠感が出てきて、これは完全にアウトだな…そう思いましたね。
幸いにも軽傷だったので、しばらく木陰で休み、体を冷やしたら徐々に落ち着きました。
いつ・誰がかかるか分からないのが熱中症です。
いつもは大丈夫でも、その日の体調でかかってしまうこともあるかもしれません。
正しい知識を持って、自分とそして大切な人を守りましょう。