年金の仕組みは3階建て!どの種類が会社員や公務員向けか簡単説明!
あなたは将来自分がどのくらい年金をもらえるか、把握していますか?
「年金」と聞くとまだ自分には関係ないと感じる方も、
いらっしゃるかもしれません。
しかし私たちが老後もらえる年金額が今後減っていくとしたら、
不安に思いませんか?
年金の仕組みをきちんと理解し、
きたるべき老後にそなえることはとても大切なことです。
そんな中で今回は年金の仕組みの基本となる、
「3階建て構造」について紹介します。
これは、年金が大きく3つの種類に分けられる、
「国民年金・厚生年金・公的年金」のそれぞれの繋がりをさしていて、
年金を考える上での基本的知識になります。
ぜひともご覧ください。
- 年金制度の仕組みが3階建てとは?加入条件とともにわかりやすく説明!
- 日本の年金制度の課題!老後資金2000万円の背景は3つの社会問題!?
- 年金問題への対策や解決策!老後のために私たちが今からできること!
- まとめ
年金制度の仕組みが3階建てとは?加入条件とともにわかりやすく説明!
公的年金は誰にでも必ず訪れる、
老後生活を安心して過ごせるように作られた制度です。
年金の3階建て構造になっていて、
それぞれ加入できる人が決まっているんです。
- 国民年金(1階部分)
20歳以上の全ての人が加入義務のある年金です。
全ての年金の土台になるので、基礎年金とも呼ばれています。
自営業者や学生などが加入しています。
また、自営業者の妻も自己負担で加入する必要があります。
- 厚生年金(2階部分)
会社員や公務員の人が勤務先で加入する年金です。
国民年金に上乗せ給付をする制度で、納付額の半分は勤務先が負担をしています。
会社員や公務員の妻は世帯主が加入している厚生年金に加入できるので、
直接保険料を払う必要はありません。
ただし、受給できるのは1階部分にあたる国民年金のみです。
- 公的年金に上乗せできる年金(3階部分)
老後の資金を公的年金以外でも受け取りたい、
と考える人たちが個人的に加入する年金です。
保険会社の私的年金や、20~60歳のほぼ全員が加入できる、
自営業者や専業主婦は会社員に比べると保障が薄いので、
個人で保険に加入して老後の安心を補強することができます。
このように公的年金は3階建ての構造をしており、
それは雇用形態によって加入できる年金が違っているからなんです。
日本の年金制度の課題!老後資金2000万円の背景は3つの社会問題!?
国は国民に国民年金への加入義務を課すことで、
国民の老後を守ろうとしています。
歳をとれば若い頃のようにフルタイムで働けなくなることがほとんどですので、
大変ありがたい制度ではありますよね。
しかし、日本の年金制度には大きな問題点もあるんです。
日本の公的年金制度は、
働いている世代が払った保険料で、現在の高齢者の年金給付に充てる、
という世代間の支え合いで成立しています。
自分で払った保険料を積み立てして、将来そのお金を受け取る、
といった積み立て型ではありません。
この仕組み上、今日本が抱えている社会問題である、
以下の3つが大きくのしかかってくるんです。
- 高齢者の増加
- 労働人口の減少
- 税収の落ち込み
最大の問題は、現役世代に対する高齢者世代の人口比率ではないでしょうか。
1980年代には、現役世代6.6人で1人の高齢者を支えていました。
しかし2016年には2.2人で1人、
2050年にはなんと1.2人で1人の割合になるのでは、と言われています。
日本の平均寿命はどんどん延びていますし、
今後人口が爆発的に増えることもほぼないでしょう。
このままいけば年金受給額を減額するか、
もしくは現役世代の年金保険料を増額するかしかありません。
実際に政府は2020年3月に公的年金を受け取る年齢を、
引き上げる方針を固めています。
現状は60~70歳の間で受け取れますが、
それを60~75歳に広げようとしているんです。
年金受給額を少しでも減らすことができますし、
長く働いてもらえば税収アップの効果も期待できます。
これからは75歳まで働き続けなければ、
生活さえできない未来がやってくるのかも…
って想像すると、何だか暗い気持ちになってしまいますね。
年金問題への対策や解決策!老後のために私たちが今からできること!
公的年金には税金も投入されているので、
将来の年金がまったくの0になることはないでしょう。
とはいえ、前途したように問題は非常に多く、
受け取れる年金額の水準はだんだん下がっていくと予想されています。
私たちはそれをただ黙って受け入れるしかないのでしょうか。
自分たちでも何か対策をしたいですよね。
そこで3つの今からでもできる対策を挙げてみます。
- 健康寿命をのばす努力をする!
健康寿命とは、「健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間」、
って意味です。
年金を受給できる年齢があがっている以上、
それだけ長く働く必要性がでてきますよね。
健康上の問題があれば満足に働けなくなりますし、
医療費や介護費の負担も増えていくでしょう。
そうならない為にも、健康には十分気を付けて、
より長く元気に生きられる期間をのばすことが大切です。
長く働くことをマイナスだと感じる人もいるかもしれません。
しかし、適度な労働で体に刺激を与えることは、
健康寿命の伸長にもつながります。
さらに、仕事や社会との関わりの中で自分の役割を果たすことで、
生きがい、やりがいを感じることもできます。
- 老後にどんな生活を送りたいかを考える!
金融庁が、「公的年金以外に老後資金は2000万円必要だ」と、
発表したことが大きな社会問題になりましたよね。
これを聞いて、「そんな大金私には準備できない!」と、
不安に思った人も多いと思います。
実は老後にどんな生活を送りたいかによって、
必要な老後資金は変わっていきます。
高齢になれば、住宅ローンや教育資金も必要なくなることがほとんどですし、
ムリをして家賃の高い都会に住む必要もないかもしれません。
そうなれば生活コストもだいぶ下がりますので、
働くといっても体にムチを打って、
長時間の辛い労働をする必要はないかもしれません。
そのためにも、自分は歳を重ねてからどんな生活がしたいのか、
これを考えておいたほうがいいでしょう。
身の丈に合った生活を心がければ十分に生活が可能である!
これが分かっていれば、少しは不安を解消できるはずです。
- 資金を自助努力で貯めておく!
健康で長く働くことも大切ですし、
生活コストを見直して身の丈に合った暮らしを意識することも大切です。
しかし、やはり自分でもきちんと老後資金を貯める努力も必要でしょう。
年金の3階部分にあたる公的年金に上乗せできる仕組みを利用するのもいいですし、
個人で投資をしたり貯金に励むのもいいと思います。
長く働きたいと思って健康にいくら気を付けていたとしても、
病気にならないとは限りません。
まとめ
以前は「公的年金があるから老後は安泰だ!」というイメージがありました。
現在では年金に対して否定的なイメージが国民に広がっているように感じます。
確かに問題点は多く、「自分の老後はどうなるんだろう…」という不安もあります。
しかし、その不安は年金のことをよく知らない、
分からないからこそ湧きあがってくるのではないでしょうか。
自分がいったいどのくらい年金をもらえる予定で、
生活していくにはどのくらいの金額が足りないのかが分かれば、
その金額を今から準備していけば問題はないはずです。
「年金が危ない」という報道に踊らされるのではなく、
きちんと仕組みを理解し今からできる準備をしっかりやっていきましょう!