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紅葉でなぜ色が変わるのか?色の変化で赤くなる理由や黄色との違い!

秋といえば紅葉のシーズンですね。

道ばたの街路樹がだんだん赤や黄色に色づいていくのを見ると、

季節の移ろいを感じます。

 

地球の3割ほどが森林ですが、紅葉する落葉樹がまとまっているのは、

東アジア沿岸部、北アメリカ大陸の東部とヨーロッパの一部だけだそうです。

 

日本は国土のおよそ7割が森林で様々な落葉樹が生えており、

寒暖の差もあるため色々な場所で美しい紅葉を見ることができます。

紅葉を楽しむというのは、日本独自の文化ともいえるでしょう。

 

ところで、どうして秋になると葉の色が変わるのかあなたは知っていますか?

 

実は、紅葉は葉の中にある色素が変化することによって起こっています。

樹木は寒い冬を乗り越えるため葉に栄養を送ることを止めてしまうんですが、

その過程で色素の変化が起こっているんです。

 

赤や黄色に色づく葉の内部ではいったいどのような変化が起こっているのかを、

今回は詳しく見ていきましょう!

 

 

紅葉で色の変化の理由は色素!?赤と黄色に変わる種類ごとに解説!

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樹木は寒い冬を乗り越えるために、不要になった葉を落とすことで、

エネルギーを使わずにすむという、

とても効率のいいライフスタイルをとっています。

 

樹木は葉に栄養を送らないことで葉の役割を停止していきますが、

その過程で葉の色を変えていき、最後には枯れて落葉していきます。

紅葉はいわば落葉前の準備期間といえますね。

 

紅葉は樹木の種類によって黄色くなるものや赤くなるものに分かれますが、

まずは緑から黄色に変化しその後に赤色に変わります。

 

種類によっては黄色のまま落葉するものもありますが、

まず黄色に変化するのが紅葉の第一段階といえるでしょう。

 

黄色の葉、赤色の葉、それぞれどのような変化が起こっているのでしょうか?

 

  • 黄色の場合

黄色の正体はカロテノイドという色素です。

緑色の葉にもカロテノイドは含まれているんですが、

緑色の色素であるクロロフィルの量が圧倒的に多いので、

カロテノイドは春~夏にかけては目立ちません。

 

冬が近づき葉の老化が進むとクロロフィルは分解されていきます。

一方でカロテノイドは葉緑体の膜の中にあるたんぱく質と結合しているため、

比較的分解されにくいんです。

 

このように両者の分解速度が違うので、

クロロフィルが分解されるにつれて緑色に隠れていた、

カロテノイドの黄色が目立つようになってくるんですね。

 

  • 赤色の場合

赤色の正体はアントシアニンという色素です。

 

樹木は冬に向けて必要なくなった葉を落とす、という説明は最初にしましたが、

その最初の段階として樹木は葉に残った栄養分を、まず回収しようとします。

 

この栄養分の回収が終わると、栄養分や水分が葉の方へ行かないようにするため、

離層という壁を葉と枝の間に形成します。

 

その後、たとえ栄養分や水分の行き来がなくても、

葉は日光を浴びると光合成を続けるので、

グルコースを生成し続けるんです。

 

しかし葉と枝の間には壁があるので、

せっかく生成したグルコースを幹へ送ることはできません。

行き場をなくしたグルコースは葉にどんどん蓄積され、

酵素と反応して赤色の色素であるアントシアニンに変化していくんです。

 

クロロフィルが分解されて減っていき、

アントシアニンが次々に合成されることによって、

葉は赤く紅葉していくんですね。

 

同じ赤色でも深紅だったり、少しオレンジがかった色をしていたりしますが、

これは木の種類で作られるアントシアニンの量が変わるからと考えられています。

 

このように、葉が紅葉し枯れて落葉するというなにげない一連の流れも、

樹木にとっては厳しい冬を乗り切るための生存方法だったんですね。

 

 

紅葉の色づく条件は3つ!紅葉名所に渓谷や川沿いが多い理由も!

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どのようなメカニズムで葉が色づき紅葉するのか、

ということが分かったかと思います。

ところで、同じ場所でも毎年葉の色づき具合が違ったりしますよね。

 

「今年は紅葉が特にきれいだね」とか、

「今年の紅葉は色がいまいちだな」なんて言葉を聞いたことがある人も

いるんではないでしょうか。

 

実は、紅葉の良し悪しには主に3つの条件があると言われているんです。

 

まず1つ目は、日中の天気がいいことです。

赤い色素となるアントシアニンを合成するためにはグルコースが必要です。

 

グルコースを作るには太陽を浴びて光合成をしなければいけないので、

日中の天気がとても重要になってくるんですね。

 

2つ目は昼と夜の気温の寒暖差です。

先ほど日中の天気がいいことが重要といいましたが、

同じように夜も暖かいのは紅葉にとっては悪影響です。

 

というのも、夜の気温が高いと、

昼間にせっかく作ったグルコースを使って葉が行動してしまうため、

鮮やかな赤色になりにくくなってしまうんです。

 

そして3つ目は適度な雨や水分があることです。

乾燥しすぎると葉が紅葉する前に枯れてしまいますからね。

 

紅葉の名所に渓谷や川沿いが多いのは、

こういった3つの条件が揃いやすいからなんですよ。

また、空気の澄んだ冷え込みの厳しい山あいも、

美しく紅葉するための条件が揃っています。

 

紅葉で有名な京都も朝晩の冷え込みが厳しいので、

美しい紅葉スポットがたくさんあるんですね。

 

 

まとめ

日本には各地に紅葉の名所と呼ばれる場所がたくさん存在します。

 

私は昔に社員旅行で行った、北海道の層雲峡という温泉地の紅葉が、

とても思い出深いです。

山奥なので空気もひんやりしていて、

少し湿った落ち葉の匂いと鮮やかなもみじの色が印象的でした。

 

何気ない紅葉という葉が色づく変化には、

植物が生き抜くための知恵がつまっています。

私たちがこうやって紅葉を楽しめるのも、

植物が地球にもたらす恵みの1種なのかもしれませんね。